取扱素材

HANDLING

オーステナイト系ステンレス鋼

使用例

レーザー+旋盤加工品 材質:SUS304-CSP

無煙ロースター 材質:NSS304ES

取扱形状

用途

※NSSとは日鉄ステンレス株式会社の規格です。

区分 鋼種 特性 用途
SUS
(JIS相当)
NSS
オーステナイト系 301   調質圧延により高強度が得られる  スチールベルト、メタルガスケット、バネ類
301L  

SUS 301の低炭素鋼で、調質圧延により高強度が得られ、

加工性、耐粒界腐食性に影響する鋭敏化が生じにくい。

鉄道車両
304   オーステナイト系ステンレス鋼の代表鋼種。  器物、厨房、
LNGタンク、他
(304Cu) 304S SUS 304にCuを添加したもので、軟質で加工性に優れる。 器物
  304ES 極軟質で冷間鍛造性、形状凍結性等および深絞り性にも優れる。 深絞りセンサーケース、フランジ
XM7   304にCuを添加して冷間加工性の向上を図った鋼種。低磁性材。 器物、冷間圧造用途
  304M2 SUS 304より深絞り性、張り出し性に優れる。スピニング加工品に使用。 器物、ドアノブ、シンクボール
  304M3 SUS 304より高速張り出し成形性に優れる。 ガスバーナー部品
304L   304に対し低炭素鋼であり耐粒界腐食性に影響する鋭敏化が生じにくい 石油精製、製紙工業、他
304N1   304にNを添加し、延性の低下を抑えながら強度を高めた鋼種。 構造用強度部材、ヒューム管カラー
305   304に比べ、加工硬化性が低い。 へら絞り、冷間圧造用途
  305M1 超深絞りが可能で、かつ加工後でも非磁性を有する。 電子部品
  305M3 [高強度非磁性鋼]高いばね性を有する。 磁気ヘッドカバー
  302B

304より耐酸化性が優れ、900℃以下では310Sと同等の耐酸化性

と強度を有する。

自動車排ガス処理部材
(XM15J1) ER-1 SUS 309S(高級耐酸化鋼)相当の耐酸化性を有する。 自動車排ガス処理部材
燃焼部材
  ER-4 耐高温塩害腐食用鋼で耐塩化物溶融塩腐食性にも優れる。 自動車フレシキブルチューブ、焼却炉
310S  

耐酸化性がSUS 309Sより優れ、耐熱鋼として多く使われ、1035℃まで

耐える。高級耐酸化鋼。

 硝酸タンク、
燃焼室部品
316  

海水をはじめ、各種媒質にSUS 304より優れ、耐食性が良い。

加工後の材料の磁化特性が少ない。高温でのクリープ強度を有する。

 化学工業、製紙工業、他
VTRガイドローラー
316L   316に対し低炭素鋼であり耐粒界腐食性に影響する鋭敏化が生じにくい  化学、製紙、染料、肥料工業、他
(315J2) SCR

耐応力腐食割れ性に優れ、SUS 316と同等の耐隙間腐食性を有する。

薄肉化により軽量化に貢献。

温水ボイラー、電気温水器、屋内配管

成分表

区分 鋼種 主要化学成分(%)
SUS(JIS相当) NSS C Ni Cr Mo その他
オートステナイト系 301 ≦0.15 6.00~8.00 16.00~18.00
301L ≦0.03 6.00~8.00 16.00~18.00 N≦0.20
304 ≦0.08 8.00~10.50 18.00~20.00
(304Cu) 304S ≦0.08 8.00~10.50 18.00~20.00
304ES ≦0.03 7.00~9.00 16.00~18.00 Cu:2.80~3.80
(XM7) XM7 ≦0.05 8.50~10.00 18.00~20.00 Cu:2.50~4.00
304M2 ≦0.03 6.50~8.50 15.50~17.50 Cu:1.50~2.50
304M3 ≦0.06 6.40~8.00 15.00~17.00 Cu:1.50~2.50
304L ≦0.03 9.00~13.00 18.00~20.00
304N1 ≦0.08 7.00~10.50 18.00~20.00 N:0.10~0.25
305 ≦0.12 10.50~13.00 17.00~19.00
305M1 ≦0.08 11.00~13.00 15.00~17.00 Mn:2.00~4.00
305M3 ≦0.08 11.00~13.50 18.00~20.00 Mn:2.00~4.00
N:0.10~0.20 
302B ≦0.15 8.00~10.00 17.00~19.00 Si:2.00~3.00
(XM15J1) ER-1 ≦0.07 12.00~13.50 18.50~20.00 Nb:0.05~0.20
Si:3.00~4.00
ER-4 ≦0.07 12.00~13.50 16.00~18.00 2.00~3.00 Si:2.00~3.00
310S ≦0.08 19.00~22.00 24.00~26.00
316 ≦0.08 10.00~14.00 16.00~18.00 2.00~3.00
316L ≦0.03 12.00~15.00 16.00~18.00 2.00~3.00
(315J2) SCR ≦0.07 11.50~13.50 18.00~19.50 0.50~1.50 Cu:1.50~2.50
Si:2.50~4.00

特性表

物理的・機械的性質

※NSSとは日鉄ステンレス株式会社の規格です。

区分 鋼種 物理的性質 機械的性質
SUS(JIS相当) NSS 弾性係数X103N/mm2 質量g/cm3 平均熱膨張係数X10-6 cm/cm/℃ 熱伝導度W/m・℃ 硬さ試験 引張試験
HRB HV 耐力N/mm2 引張強さ
耐力N/mm2
伸び%
20~100℃ 100℃
オートステナイト系 301 194 7.93 16.9 16.3 ≦95 ≦218 ≧205 ≧520 ≧40
301L 194 7.93 16.9 16.3 ≦95 ≦218 ≧215 ≧550 ≧45
304 194 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧205 ≧520 ≧40
(304Cu) 304S 194 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧205 ≧520 ≧40
304ES 199 7.93 17.2 15.1 ≦90 ≦170 ≧155 ≧450 ≧40
(XM7) XM7 194 7.93 17.3 16.7 ≦90 ≦200 ≧205 ≧510 ≧40
304M2 187 7.93 17.3 16.3 ≦86 ≦175 ≦335 ≦660 ≧50
304M3 187 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧180 ≧500 ≧40
304L 194 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧175 ≧480 ≧40
304N1 194 7.93 16.9 16.3 ≦95 ≦220 ≧275 ≧550 ≧35
305 197 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧175 ≧480 ≧40
305M1 194 7.93 17.3 16.3 ≦90 ≦200 ≧175 ≧480 ≧40
305M3 193 7.93 16.5 ≦95 ≦220 ≧275 ≧550 ≧35
302B 194 7.93 16.2 15.8 ≦95 ≦220 ≧205 ≧520 ≧40
(XM15J1) ER-1 182 7.75 15.5 14.6 ≦95 ≦220 ≧255 ≧520 ≧45
ER-4 182 7.95 14.5 ≦95 ≦220 ≧205 ≧520 ≧40
310S 205 7.98 14.4 14.1 ≦90 ≦200 ≧205 ≧520 ≧40
316 194 7.98 16.0 16.0 ≦90 ≦200 ≧205 ≧520 ≧40
316L 193 7.98 16.0 16.0 ≦90 ≦200 ≧175 ≧480 ≧40
(315J2) SCR 194 7.75 16.7 16.0 ≦95 ≦220 ≧255 ≧520 ≧45

NSSとSUSが重複している場合には、NSS規格(成分、特性等)を優先して表示しています。

表面仕上げ

※NSSとは日鉄ステンレス株式会社の規格です。

区分 JIS NSS 仕上げの内容
熱間圧延製品 N0.1   熱延後、熱処理・酸洗して仕上げたもの。
  CG N0.1仕上後、JISR6001に定める適当な番手のエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもので脱脂は行わない。
冷間圧延製品 N0.2D   冷間圧延後、熱処理・酸洗して仕上げたもの。
  NO.2DR 冷間圧延後、熱処理・酸洗後ダルロールにて軽く冷間圧延をしたもの。
NO.2B   冷間圧延後、熱処理・酸洗後適当な光沢を得る程度に軽く冷間圧延したもの。
N0.3   JISR6001によるF100~F120のエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもの。
N0.4   JISR6001によるF150~F180のエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもの。
#240   JISR6001による240番まで研磨して仕上げたもの。
#320   JISR6001による320番のエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもの。
#400   JISR6001による400番のエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもの。
  N0.9 320番より更に細かいエンドレスベルトで表面研磨をして仕上げたもの
BA   冷間圧延後、光輝・熱処理を施して仕上げたもの。
HL   適当な粒度の研磨剤で連続した磨き目が付くように研磨して仕上げたもの。
  N0.7 #400仕上げより反射率が良いようにバフ仕上げしたもの。
  N0.8 BA仕上げのものを綿バフで高度の反射率を得るように仕上げたもの。
  エンボス 冷間圧延により片面のみ適度な凹凸模様をつけたもの
(両面エンボスも可能)

ご注意ならびにお願い

  • 製造に関して、規格によりロット等の事由により、メーカーでの製造ができない場合もありますので、予めご了承下さい。
  • 鋼種によっては弊社で対応できない場合もございますが、まずは弊社までお問い合わせ下さい。
  • 本ウェブサイトに記載された技術情報は、更新時における製品の一般的な特性や性能を説明するためのものであり、それによって何らかの保証をするものではありません。
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