取扱素材

HANDLING

N22CB

普通鋼とほぼ同等の加工性を持ち、熱処理することで特殊鋼の硬さを得られる材料です。

天彦産業は、N22CBにおける用途開発に、10年以上前から取り組み、10数点の用途を開発してきました。
そして、今も尚、多くのお客様に非常に使いやすく、価格もお手頃な鋼種としてご利用頂いております。
N22CBにおきます、サンプルのご相談から、材料における技術的サポートまで、トータルでサポートさせて頂きます。

使用例

農機具部品 材質:(N22CB)

ギア

取扱形状

用途

ハイテンワッシャー、スケートエッジ、ミシン部品、チェーン、クラッチプレート、自動車用部品、ギア
安全バックル、丸鋸、チップソー台金材、ボビン

成分表

(mass%)

化学成分 C Si Mn P S Cr B
N22CB 0.20~0.25 ≦0.25 0.30~0.60 ≦0.030 ≦0.030 0.20~0.40 0.001~0.005
N28CB 0.26~0.30 ≦0.25 0.30~0.60 ≦0.030 ≦0.030 0.20~0.40 0.001~0.005
N36CB 0.33~0.38 ≦0.25 0.40~0.70 ≦0.030 ≦0.030 0.40~0.70 0.001~0.005

特性表

機械的性質

熱延材の機械的性質の例的性質
鋼種 試験片
採取方向
耐力
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
伸び(%) 硬さ(HV)
N22CB L 366 530 34.3 152
C 389 538 33.8

注)試験片はJIS5号、板厚は2.4mm

焼鈍材の機械的性質の例
鋼種 試験片
採取方向
耐力
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
伸び(%) 硬さ(HV)
N22CB L 276 437 41.0 132
S20C L 269 434 41.2 128
SCM420 L 389 527 35.0 162

注)試験片はJIS5号、板厚は6mm

熱処理特性

1.焼入性質

N22CBの焼入性は、S20CとSCM420の中間に相当する(図1)。

2.浸炭焼入性

N22CBの浸炭焼入性は、SCM420にやや劣る程度である。
S20Cと比べると約1/2の浸炭時間で同一硬化層深さを得られる。(図2)

注)浸炭処理は液体浸炭で、180℃ソルトクエンチ

3.N22CB焼入焼もどし材の引張性質

焼入焼もどししたN22CBは、焼入れままでも約10%の伸びを示すように、延靱性に優れている(図3)。

注)

  • 試験片はJIS5号試片,試験片採取方向はL、板厚は2.6mm
  • 焼入条件は900℃-15min W.Q.
  • 焼きもどし時間は30min
4.衝撃値と焼もどし硬さの関係

焼入焼もどし材の衝撃靱性は、同一硬さに調質したSCM420より優れている(図4)。

注)

  • 衝撃試験片は2mmUノッチシャルピー(t=6mm)
  • 熱処理条件は870℃-15Min W.Q.
  • 試験温度は25℃
  • 焼きもどし時間は30min

ご注意ならびにお願い

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